ボトックス注射の効果の現れかたと持続性
ボトックス注射は表情に伴うしわに対して、効果をしっかり狙える治療です。額や眉間、目じりのしわが主に対象となります。未経験の方にとって、ボトックス注射のハードルは高く、またボトックス注射をした直後からしわがなくなると思っているかたも多くいらっしゃいします。実際にボトックス注射を受けてから、どのようにしわが改善していくか、そしてどれぐらいの持続性があるかをお話ししていきます。
ボトックス注射の作用点
>ボトックス注射はボツリヌス菌から抽出したボツリヌストキシンが主要成分です。この成分は筋肉(表情筋)とそれを支配する神経の間に作用点があります。通常筋肉収縮には神経末端から分泌される神経筋伝達物質(アセチルコリン)が必要となりますが、その伝達物質を入れる小胞とボトックスの成分が結合し、分泌できないようになります。よって信号が伝わらず、筋肉の収縮がなくなります。表情に伴うしわも、筋肉の動きがあるからこそ現れますので、ボトックス注射が適応となる理由がわかると思います。
ボトックス注射の効果の現れかた
残念ながらボトックス注射をした当日に効果がでることはありません。効果を自覚するのは数日後からです。感覚的にいつもと違うなというのが始まりです。そして“動き”という面で徐々にしわがでにくくなる効果が見られ、しわ治療目的であれば1~2週間後に、表情を作ってもしわが減る、浅くなるというしっかりとした効果がみられるようになります。
ボトックス注射後の経過と持続性
ボトックス注射の効果持続は一般的に4~6か月と言われます。具体的には3~4か月目まではしわはでにくくなっていますが、その後再び動くようになっていきます。いきなりストンと効果がなくなるわけではありません。6か月も過ぎるとボトックスの成分自体が完全に分解代謝され、また新しい神経が筋肉へ伸びてくるので、筋肉収縮が必ず回復してきます。もちろんこの経過には投与部位や投与量により異なりますが、大幅に異なることはありません。このような経過からボトックス注射の投与間隔の理想は4か月おきであり、多くの施設で行っている間隔と思います。
ボトックス注射を継続することで持続が長くなる?
ボトックス注射をしているかたの経過を見ていると、持続が長くなる例をみることがあります。筋肉は使われなくなると萎縮しますので、その状態が続けば続くほど筋肉の回復も遅くなり、持続期間が長くなることが考えられます。普段から過度に動かしていた表情筋が動きにくくなり、成分がなくなっても無意識に動かすことがなくなれば持続も長くなる可能性は十分にあります。このようなに自然な経過で効果持続が長くなることがある一方で、投与範囲や量が通常より多ければ多いほど持続期間は当然長くなるのも想像がつきます。しかし、これはリスクがあることも考えなければなりません。リスクというのは顔から表情がなくなる、きつい表情になるなど、よくボトックス注射の副作用で聞かれるものです。「ずっと効果が出てほしい」という気持ちもわかりますが、やりすぎも注意ということです。ちなみに通常量、通常範囲であればこのような副作用がでることはありません。通常量で、やりすぎなく、そして自然に深いしわを作るような筋肉の動きが解消されれば、一番良いということです。
ボトックス注射は継続することでの効果もある
ボトックス注射は基本的に4~6か月おきに継続です。ボトックス注射後、表情時のしわが解消するのはもちろんですが、継続することで、今後深く溝となるであろうしわが予防できるのです。これは大きなメリットと思いませんか?ボトックス注射はやりすぎなければ一生付き合って、そして肌をきれいにみせることができる良い治療です。しわが気になるかたは、まずは美容皮膚科へ相談してみてください。