毛の基礎知識
毛は全身どの部位にでも生えている(口唇、てのひら、あしのひら以外)もので、数も太さも個人差が存在するものです。ちなみに頭髪だけでも10万本は存在します。紫外線や機械的刺激から皮膚を保護し、また保温などの役目を担っています。
毛は毛包という組織に囲まれ、毛根にある毛乳頭はよく知られている毛の組織です。そして毛包にはもう一つ重要な組織である『毛隆起(バルジ領域)』という、やや外側に膨らんだ部分です。脱毛に関連してくる部位ですが、ここには毛の幹細胞があるといわれています。幹細胞は、体中いたるところにある細胞であり、様々な因子によってそれぞれの組織になれる大元の細胞です。現在、毛の幹細胞が毛隆起にあることがわかっています(具体的には毛包幹細胞と色素幹細胞)。
よく耳にする『毛周期』、 一定の周期をもって毛は発育し、『成長期→退行期→休止期』の順に移行します。部位によりその全期間はバラバラで、確実なデータはありません。頭髪であれば、数年、その他部位であれば数か月でもあるとのことです。成長期は細胞分裂が盛んなときで、毛が伸びていきます。抜けてもまた生えてくるのは成長期です。その後、毛隆起以下が収縮していき、休止期となります。この毛周期は一本一本異なり、全体として一定の本数を保ちます。
脱毛の基礎知識
現在、脱毛方法は光脱毛、レーザー脱毛が主流です。どちらも原理は同じであり、光エネルギーを熱エネルギーに変換させ毛に伝わらせ、毛、その周囲の組織までそのエネルギーを波及、破壊することができます。毛根にダメージを与えるのは重要ですが、それ以上に毛隆起にある幹細胞にまでダメージを与えないと正確な脱毛には至りません。
脱毛は基本的に回数をかけることが重要です。回数をかけられればかけるほど効果も上がっていきます。一般的に全身どの部位でも、5~8回が平均的なレーザー脱毛の回数となっています。もちろん、8回以上となるケースもあります。この脱毛の回数というのはあくまでもご本人の満足度による評価が主体であり、回数に個人差があるのは当然のことです。では、光脱毛より強いと言われるレーザー脱毛ですが、なぜ5回以上必要となるのでしょうか・・・?。それは以下の理由となります。
- (1)どこまでをご希望されているか、目標が個人により様々
- (2)毛の質(太さ、濃さ、強さ)
- (3)皮膚の色、状態
- (4)毛周期
どれか一つではなく、これら複数の理由によって回数は決まっていきます。つまり前もって「何回で終わる」と断定することは不可能です。
レーザー脱毛は一筋縄ではいかないものですが、とにかく一定の間隔をおきながら、レーザー照射を継続すれば、脱毛効果は必ずでてきます。
光脱毛とレーザー脱毛
両者とも、実は同じ原理のもと脱毛効果を狙います。では何の違いか? それは一照射あたりのエネルギーの強さ、熱エネルギーの波及の度合いの違いです。レーザーは一つの波長が増幅(重なる)することでよりエネルギーが強く、また毛の色に吸収が高いものを使用しています。光はあらゆる波長がでていますが、毛に対しての効果はレーザーに比べると格段に落ちます。もちろん、光脱毛の効果がないわけではありませんし、ソフトに照射できるメリットはあります。しかし機械の差や施術方法の差で効果は大きくかわり、やはりレーザーに比べたら効果は落ちると思います。
レーザー脱毛の回数、期間
脱毛は『レーザー脱毛の基礎知識』で説明しましたとおり回数を要します。
- ●顔 5~8回
- ●男性ひげ 5~10回
部位や毛の質、皮膚の色などにより大きく変わりますのでご了承ください。
当院では1~1.5か月に一度の照射を基本としています。これは経験によるもので、特に、はじめのうちは毛の勢い(毛乳頭、バルジ領域)を弱らせる目的で1~1.5か月に一度行い、約半年で5回です。もちろん、回数がかわれば期間もかわります。
肌の状態により間隔を延ばす必要のあるケースもありますし、その都度検討しながら行います。もちろん間隔をあけるメリットもありますが、それよりも弱っている毛にどんどんダメージをあたえることのほうが、トータルで考えたとき効果が現れやすいと当院では考えています。
レーザー脱毛の痛み
脱毛器は年々進化しており、最近のトレンドは『痛みが少なく』+『スピーディ』です。
当院で使用するレーザー脱毛器ライトシェア・デュエットは特殊な照射の仕方ですので、痛みは格段に少なくなりました。しかし、残念ながら痛みは0ではありません。もちろん痛みの感じ方には個人差があります。“痛み”は効果や副作用の指標にもなりますので、当院では麻酔を基本にいたしません。
痛みの種類としてはよく、ゴムではじかれた痛さと毛抜きで毛を抜く痛さと表現されます。照射中、あまりに痛い時はやけどのリスクを考えなければならなくなるので、我慢の必要はありません。必ず伝えてください。
顔脱毛、ひげ脱毛のメリット、デメリット
当院の脱毛は、顔のみ対象です。顔の脱毛のメリットは、①日々の処理がなくなる②毛の処理による肌荒れが軽減する③にきびの軽減(治療目的)④脂性肌、毛穴開きの軽減などがあります。
デメリットとしては、脱毛後の毛嚢炎の持続やにきびの悪化、また長期的に乾燥肌に傾きやすくなる可能性があります。また男性ひげの場合は、永久脱毛となった部位はひげが生えてくることはないので、ひげを生やすことができなくなります。
脱毛後経過、副作用
脱毛後は照射部位の赤み、毛穴周りの赤みが出現しますが、たいてい数日以内に消失していきます。脱毛は毛穴の周囲に熱エネルギーが加わった状態です。炎症が起きますので、赤みは少なくとも生じます。軽いものであればすぐ引きますが、まれに多発することがあります。また炎症が長く続くと色素沈着の可能性も高まります。その際は別治療を検討します。特に肌色が濃い、もともと肝斑や色素沈着がある場合は注意が必要です。
帰宅後に、痛みやかゆみなどの症状が出現する場合は、まずは冷やしてください。数日経過しても続く場合は当院へご連絡をお願いします。
また、照射するエネルギーが強すぎた、皮膚の色が濃い、しみ、ほくろがある時は、皮膚に過剰な反応がでやすい状態です。つまり『やけど』です。ひどい場合は水ぶくれや色素沈着となりますので、そのような状態の時は必ずご連絡ください。
毛は徐々に脱落していきます。まれに皮膚に埋もれてしまうこともありますが、自然に排出、吸収されることが多いです。
当日、翌日ぐらいは体を温めすぎないよう(熱いお風呂、サウナ、過度の運動、お酒)にしてください。温まると必ず照射部位のかゆみが出現します。それでひっかいてしまうと、炎症は強くなり残存しやすくなります。
不安な点がありましたら、営業時間にご連絡ください。
レーザー脱毛前の剃毛について
原則、可能な範囲をご自身での剃毛をお願いします(当院で行う場合は剃毛料金必要)。
レーザー脱毛器「ライトシェア・デュエット」
ルミナス社製ライトシェア・デュエットは従来の冷却システムを備えたハンドピースと最新の『吸引システム』により脱毛をしていきます。吸引システムは皮膚を吸引して肌へのダメージをおさえることで痛みを軽減しています。また照射口が22×35mmと大口径で、約5倍と広範囲に照射できるため、時間短縮(従来の1/3)も可能となりました。もちろん吸引できない部位、毛の状態により従来のハンドピースも使用しながらの照射となります。
- 痛みが少ない
- ライトシェアデュエットは、従来の冷却システムを備えたハンドピースと最新の「吸入システム」により、皮膚を薄く吸引して毛幹部に集中的にレーザー照射を行うことで、肌へのダメージを抑えていますので、痛みは軽度であることが多いです。
- 照射時間の短縮
- 照射口が22×35mmと大口径に!照射面積も約5倍となり広範囲に渡る全身脱毛も短時間で終えることができ、今までの1/3の時間で全身への脱毛が可能となりました。
- 脱毛効果のアップ
- レーザーはメラニンを選択的に破壊するので、非常に脱毛効果が高く、 光脱毛より少ない回数で確実な脱毛効果を実感することができます。