ボトックス注射とは
ボトックス注射で使用する製剤の有効成分ボツリヌストキシンは、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種です。ボトックス注射は注射部位の神経と筋肉の間の信号をブロックすることで、筋肉の収縮を弱めるものであり、美容においては表情に伴うしわに対する効果、適応があります。また、 眼科や神経内科の領域で、眼瞼・顔面痙攣などの治療にも用いられています。アメリカでは、アラガン社が製造したボツリヌストキシン「ボトックス(商品名)」が眉間のしわ治療薬としてFDA(米食品医薬品局)で認可され、その安全性・効果性はすでに確立しており、10年以上の歴史があります。日本においてもボトックスビスタが眉間、目尻のしわに対しての治療薬として厚生労働省より承認もされています。ボトックス注射は 比較的安全な施術で、持続期間もある程度期待できる美容方法なので、世界はもちろん日本国内でも人気の治療です。
アラガン社製ボトックスビスタ
当院はアラガン社の製品【ボトックスビスタ】のみ使用しています。厳密にボトックスと呼べるのはアラガン社の製品だけです。ボトックスビスタを使用のクリニックはアラガン社専属の医師から技術指導、トレーニングを受けており、正式に認定されております。 また、当院では、過去にアラガン社専属の認定指導医(現在は個別に指導)であった医師が施術にあたります。
Dr.AVA・・ハリウッドでセレブご用達の美容クリニックを手掛けるドクター
今泉先生・・今泉スキンケアクリニック院長
ボトックス注射の適応部位
表情じわ(額、眉間、目じり、あご、口角、バニーライン)
ボトックス注射は主に額、眉間、目じり、あごにでる表情に伴う(笑う、起こる、驚く、しかめるなど)動的な"しわ"に有効です。このようなしわは普段、自分では気づかないことが多く、意識することが少ないです。だから、気づかないでいるとある時『溝』となり、常時みられる深い、長い、数の多いしわ、となります。溝となったしわになる前にボトックス注射始めておくことでしわの予防対策にもなるのがボトックス注射の秘めた効果でもあるのです。またちょっとした表情を作った時のしわが深くならない、残りにくいといった効果に対して最善な治療となります。
小顔・エラハリ
小顔、エラボトックスはいわゆる"エラ"がはっている状態に適応があります。エラがはる原因は、寝ている時の歯ぎしりや筋トレ、スポーツ時にくいしばる時、そして硬いものをよく食べるかたに現れる咬筋肥大が原因です。咬筋肥大している例にボトックス注射をすることで、筋萎縮を狙い、咬筋の筋力低下とともに咬筋肥大を軽減させる方法です。夜間や日中のくいしばり、夜間の歯ぎしりが強いかたは、その症状自体が軽減することで付随する肩こりや頭痛の軽減を体感し、喜ばれることが多いです。ちなみにエラについて、骨格的に突出している例は適応になりません。
リフトアップ、フェイスラインのたるみ
微量のボトックスを皮膚浅層に多数注射するマイクロボトックスリフトです。特にフェイスライン、顎から首に注射し、法令線、フェイスライン、口周りのたるみ解消、リフトアップが期待できます。
多汗症・わき汗
頭、わき、手のひら、足の多量の汗の分泌を軽減させる方法です。ボトックスを注射することで発汗を一時的に抑制します。1シーズンの持続性がありますので、夏場気になる方はその前に、さらに冬、厚着をする、暖房のきいている部屋にいて汗をかくことが多いかたは、年2回受けることをおススメします。
ボトックス注射の施術の流れ
- 【初診日】医師診察
問診票記入後、メイクを落とした状態で、医師診察となります。お悩みをお聞きし、ボトックス注射の適応か医師が判断、治療のご提案、説明をします。※基本、施術は別日となります。 - 【施術日】どの部位に注入するか診察
お化粧を落とした状態で、どの部位にボトックスを注射するかを決めていきます。その際に表情、しわのでかたを確認しながらポイントを決めてい行きますので、ご協力ください。そして施術へうつります。 - 麻酔(クリーム、テープ)(約40分)
ほとんどのかたが冷却のみで注射を行っていますので、麻酔を省くことがほとんどです。 - ボトックス注射
(しわ治療の場合一部位約5分)
いよいよボトックス注射です。基本は冷却をしながら注射となります。部位により時間は様々です。 - 終了
止血を確認し、施術後の経過をスタッフからお伝えし終了となります。
ボトックス注射後の経過
しわ治療のボトックス注射の場合、注射して数日以内に効果を実感できますが、効果のピークは1~2週間経過してからです。その後同じ状態が続き、初回は3~4ヶ月目ぐらいからしわが入りやすくなります。完全に戻る(ボトックス注射の効果がゼロとなる)のが平均半年です。しかしボトックス注射の回数を重ねていくと効果の持続が長くなる印象がありますが、ボトックス注射は4か月前後に一度行うことがベストです。
小顔、エラボトックス注射後の経過は2週間~1か月で効果を実感することが多いです。注入直後は食事、特に硬い肉、ガムをかむ時にかむ力が弱るので疲労感が出る場合があります。その症状は数週間で消失します。効果の持続は個人差があるのですが、約半年です。歯ぎしり予防、くいしばり予防の場合は4~6か月おきにボトックス注入をおすすめしています。
ボトックス注射後に起こりうる副作用
ボトックス注射後起こりうるものは、皮下出血です。筋肉は出血しやすい組織ですので、微小なものもふくめて出血がないということはありえません。しかし皮下出血しやすい部位もあるので、注意深く注射していきます。もっとも重篤な副作用は眼瞼下垂です。これは眉間の注入の際に上眼瞼挙筋にボトックスが作用してしまうと生じやすくなります(ほとんどまれです)。また額のボトックス注射の際、額を使用して目を見開いている方は特にボトックスが強く作用すると、まぶたが重く感じることがあります。いずれの症状も時間とともに解消していきます。ちなみに致死量といわれるボトックスの量は、通常しわとりで使用する量の200倍以上です。美容の範囲でまず、全身的な影響が出ることはありません。
ボトックス注射症例写真
症例1
【施術】ボトックス注射(目じり)【お悩み】目じりのしわ【施術日、回数】(左)2017.6月・施術前(右) 2017.7月・施術後
(両方とも笑った表情です)
症例2
【施術】ボトックス注射(額)【お悩み】額のしわ【施術日、回数】(左)2014.1月・施術前(右) 2017.7月・施術後
(両方とも額をよせてます)
症例3
【施術】ボトックス注射(眉間)【お悩み】眉間のしわ【施術日、回数】(左)2017.10月・施術前(右) 2017.11月・施術後
(両方とも眉間にしわをよせてます)
適応外、要注意例
重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、妊娠、授乳中、本剤アレルギー経験者、アミノグリコシド系抗生物質、Caチャンネル阻害薬、抗凝固薬内服中、重症な心・肝・腎疾患、注射部位の感染症
Q&A
- インターネットで不自然な顔になると書いてありますが、本当ですか?
- ボトックス注射は適切な部位に適切な量を使用すれば、不自然な顔にはなりません。確かに今まで動いていた筋肉が抑えられるので、自覚的にこわばったと感じることもありますが、あくまでも自然な経過となるように注入していきます。
- 表情を作らなくてもすでにあるしわに有効ですか?
- すでに溝となっているしわそのものへの効果は薄いですが、ボトックス注射を繰り返すことで浅くなっていきます。またこのような場合は、ヒアルロ酸注射など併用をするとより早く効果を実感することができます。
- どのクリニックでも同じ製剤を使用しているのですか?
- いいえ、クリニックによってメーカーが異なることがあります。多くはアラガン社製ボトックスビスタを使用していると思いますが、気になるようでしたらお問い合わせください。