メソポレーションとは
メソポレーション?はじめて耳にするかたもいらっしゃると思います。美容界で導入というと「イオン導入、超音波導入」があり、メソポレーションも皮膚へ有効成分を導送り届ける方法の一つです。このメソポレーションという導入方法はイオン導入に加えて新たな技術であるエレクトロポレーション(電子穿孔法)を行う方法で、それが可能な機器は医療機関のみに設備される「メソアクティス」と「デルマシオ」なのです。当院では、2機種でメソポレーションを行っています。
イオン導入とは?
イオン導入、最近ではホームケア用の美顔器の機能として使われていますが、これは体に電気の回路を作ったうえで、お肌に塗った、例えばビタミンCなどイオン化する成分を電気的反発力と物理的な圧力を利用して皮膚内へ導入していく方法です。これは皮膚科の治療(イオントフォレーシス)でも行われているもので、導入のしやすさは溶剤の種類、肌状態、機器の質により様々です。
当院でもホームケア用のイオン導入器【キャリーオンF】を販売しております。
エレクトロポレーションとは?
エレクトロポレーション、これはメソポレーションの真髄でもあります。 短い電気的パルスを利用 して表皮細胞間、特に角質細胞間や一部細胞の細胞膜にエレクトロポレース(電子孔)を形成させます。この孔を利用して、さらにイオン導入と圧により様々な有効成分を浸透させることが可能な方法です。もちろんこの孔が開いているのは施術中だけです。このエレクトロポレーション理論はハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などの研究所で確立され、主に遺伝子工学、抗がん剤投与などへの応用が期待されている最先端技術です。
このエレクトロポレーションとイオン導入2つの技術を使用して有効成分を浸透させる、これがメソポレーションであり、それを行う施術機器が『メソアクティス』と『デルマシオ』です。メソアクティスはヨーロッパ・アメリカでは4000台以上販売実績をもつアクシダームの改良型美医療機器で、『デルマシオ』はそれと同等の機能を持つ機器です。
皮膚透過性について
一般的に基礎化粧で使用する化粧水、美容液、これらがお肌の角質細胞をはじめ表皮細胞間を通過するのは容易ではありません。つまりお肌は思うよりも頑丈なのです。ここがスカスカであると、外界から の異物刺激や感染を引き起こしやすくなり、また水分がすぐ飛んでいってしまい、その典型がアトピー性皮膚炎です。
この頑丈な壁である皮膚、特に角質層(細胞間脂質)にメソポレーションを行いエレクトロポレース(電子孔)を形成することで通り道を作り、今まで導入の困難な成分まで、より深くかつ多く入れることができます。もちろん痛みはありません。
メソポレーションの流れ
- 【初診日】医師診察
問診票記入、洗顔後に医師の診察となります。お悩みの部位がメソポレーションの適応かどうかを診察いたします。※基本、施術は別日となります。 - 【施術日】洗顔・クレンジング
来院後、まずはスタッフが洗顔、クレンジングを行います。その後医師の診察と術前記録(写真撮影)を行います。 - メソポレーション施術
お顔全体に製剤を塗布、背中に対極板を置きスタートです。スティックとローラーをくるくると動かし、施術を始めていきます。 - パック
メソポレーション後、塗布したクリーム製剤を追加しラップパックします。 - 整肌、スキンケア
パック後、残りのクリームをふき取り、スタッフがスキンケアを行い終了となります。
治療回数と間隔、経過
施術直後は潤いある肌感触となります。しかしそれがメイン効果ではありません。メソポレーションは有効成分を肌へ入れる導入方法であり、導入された成分は組織へ吸収され、肌改善の原動力となります。つまりメソポレーションによって導入された有効成分が肌で使われ、組織レベルで機能改善することで、二次的にしわや乾燥肌、にきびなどの改善につながるということです。
施術間隔は2~4週間での施術を奨励しております。治療回数に上限はなく、より効果を実感していただくためにも、続けて4~5回は受けてください。間隔が詰まるほど効果実感は高くなります。
メソポレーション導入成分
当院では導入成分の構成、配合をオリジナルで行っています。
- ・潤い保湿・・・女性のほとんどが悩む“乾燥肌”。そのケア、保湿に特化した内容です。
- ビタミンC、ビタミンE、セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸、グリチルリチン、NMNなど
- ・美白・・・濃いメラニンが過剰に出続けるお肌の環境改善が目的です。
- ビタミンC、ビタミンE、フラーレン、アスタキサンチン、トラネキサム酸、NMNなど
- ・潤いハリ・・・潤いつつハリのある肌へ導く成分です。
- ビタミンC、ビタミE、ヒアルロン酸、セラミド、アミノ酸、成長因子、NMNなど
- ・肌極み・・・保湿、美白、ハリなどトータルケアを目的とした内容です。
- ビタミンC、ヒアルロン酸、NMN、アミノ酸、成長因子、抗酸化物質など
- ・リメイク・・・「肌修復」を目的とした内容です。
- 幹細胞培養上清液、ナールスゲン、NMN、ヒアルロン酸、ビタミンCなど
- ・毛穴開き・・・毛穴の開きの原因と毛穴組織の再構築にアプローチ。
- ビタミンC、ビタミンB、ビタミンE、グリシルグリシン、セラミド、ヒアルロン酸、NMNなど
- ・にきび・・・にきびによる炎症、組織代謝向上のための成分を導入します。
- ビタミンC、ビタミンB、ビタミンE、グリチルリチン、ヒアルロン酸、NMNなど
- ・にきび跡・・・陥凹したものや、赤みのあるにきび跡のための成分を導入します
- ビタミンC、アミノ酸、ヒアルロン酸、成長因子、NMNなど
- ・アトピー・・・炎症軽減と炎症の起きにくいしっかりとした肌を作るための成分です。
- 抗炎症、保湿成分
- ・リフトアップ・・・リフトアップエステと併用します
- ビタミンC、ヒアルロン酸、アミノ酸、DMAE、NMNなど
乾燥肌とメソポレーション
四季問わず多くの女性が悩む乾燥肌。特に春は花粉の影響、夏は日焼け、秋冬は湿度が下がり、そして年中空調環境にさらされているので乾燥肌になって然りです。また女性特有の末梢血管の脆弱さ(冷え性)や水分補給の少なさも相まって、より乾燥肌へ傾きます。そこで普段のスキンケアだけではカバーできなくなった時、このメソポレーションが重宝します。実はメソポレーションの一番の適応は乾燥肌と言っても過言ではありません。保湿成分であるヒアルロン酸、セラミド、アミノ酸を導入することができ、直後の潤いを実感できるからです。継続することで肌質を変化させ、より乾燥に強いお肌へ導きます。
また乾燥肌、かゆみが特徴のアトピー性皮膚炎の場合でも、その治療としてメソポレーションを行うことが可能です(浸出液がある状態は不可)。もちろん一般皮膚科での治療も併用が必須です。繰り返し行うことで、乾燥、赤み、かゆみのコントロールと外用(ステロイド)の減量を目指してきます。またメソポレーションに加え、点滴やサプリメントの併用も推奨しております。
しみとメソポレーション
メソポレーションのしみ、肝斑などの色素斑に対する効果は、レーザーのような“しみとり”ではなく、濃いメラニン色素が過剰にでている肌状態を改善するところにあります。特に肝斑や炎症後色素沈着、色むらなどの色素、 レーザーやフォトフェイシャルなどのしみとり後の再燃予防として効果的です。しみの部位にあるメラノサイト(メラニン産生細胞)やその他細胞、組織は濃いメラニンを産生しやすい状態に変化しています。それはレーザーをしたからと いって激変することはなく、やはり再燃を考えておかねばなりません。そこで肌環境を含めて改善することができればしみである濃いメラニンを産生する状況も当然変わってきます。その治療方法の一つにメソポレーションがあります。
また日焼け後のケア、特に赤みが出ている状態となった時、直後にメソポレーションを行う(皮むけが強い、痛みが強い時は不可)ことで、その後遺症も軽減されるでしょう。
副作用
導入する成分でのアレルギーや電気刺激、スティックによる摩擦での発疹、かゆみ、毛嚢炎、口腔内違和感など
※あくまでも副作用は考えられるものであり、必ずでるものではありません。ご不安なかたは診察時、医師にご相談ください。