しみの種類
一般的に、肌の色とは異なる色調の部分、色素斑がでてくると総じて“しみ”となります。“しみ”の中には多くの種類があり、 また治療方法も異なります。多くは老人性色素斑やそばかす、色素沈着ですがよくよくみると肝斑やいぼ、ほくろ、あざの部類であったり、はたまた悪性腫瘍ということもあります。しみが気になったら、自己判断せず、専門にまずは診断を仰ぐことが重要です。
『しみ』として見える色素斑は下記の通りです。
- 老人性色素斑
- 雀卵斑(そばかす)
- 光線性花弁状色素斑(背中、肩)
- 肝斑
- 後天性メラノサイト―シス
- 炎症後色素沈着
- 脂漏性角化症
- 皮膚線維腫
- 色素性母斑(ほくろ)
- 皮膚悪性腫瘍
・・など
これらが混在していることは頻繁にあり、しみがどのようなしみか、どの部位にあって、どのような状態かを診断してからの治療となります。
しみ治療、テティスの考え方
当院では、お悩みのしみがどのような種類のものかを医師が診断するとことから始まります。当然のことですが、しみ治療をする上で“しみの診断”はとても重要です。お悩みのしみに適した治療の提案はもちろんですが、我々医師はしみの診断だけでなく、肌状態、生活習慣なども含めて治療を考えるからです。それから、適したなおかつ効果のある治療法をご提案します。
また当院では、しみ治療を考える場合、(1)とる(2)予防するというそれぞれのアプローチが必要であることをお伝えし、ご理解していただいてから最適な治療、ケアのご提案となります。これは、どのようなしみでも再発するリスクは十分あり、しみをとるだけでなく、しみができないよう予防・コントロールする、しみができにくい肌作りをする(リメイクスキン)ことが重要であると考えているからです。
なぜしみは出る?再発する?
しみとは皮膚にみられる色素斑で、その多くは表皮のメラニン色素の色を見ています。メラニン色素はしみの色でもあり、肌の色でもあります。 そしてメラニン色素はメラノサイト(メラニン産生細胞)が日々産生し続けています。このメラノサイトから濃いメラニンが過剰に出続け、なおかつ排出されにくい状態にある部位が“しみ”なのです。またターンオーバーの遅延により蓄積、さらに濃さを増します。
メラノサイトが濃いメラニンを過剰に産生してしまう理由は、内的、外的負荷が肌に常日頃あるからです。負荷の代表的なものは、紫外線や慢性的な摩擦などの刺激、女性ホルモンです。 生まれつきの質(遺伝)に加えて、生きてきた中での負荷がプラスされて、メラノサイトやその周囲組織の質が変化していきます。 どのようなかたでも負荷は必ずあります。特に紫外線の影響が長年続くことで、メラノサイトや周囲組織に質的、機能的な変化が徐々に起こり、より濃いメラニンが多く出やすい状態となります。 そしてしみがでている部分の多くは、その変化が一時的ではなく永続的な変化となるので、しみは一度でると消えにくい理由となります。また、ターンオーバーの遅延がしみのある場所において顕著であり、それがさらに色濃くみえる原因です。
では“しみ”はレーザーやフォトフェイシャルなどの照射系治療を受けて、取れてしまえば、再発しないのでしょうか?また変化したメラノサイトの質はレーザーなどしみとり治療で変わるものでしょうか?
答えは“No”です。
レーザーやフォトフェイシャルを受けても、反応してとれるのは産生されたメラニンがある場所だけであって、すべてのメラノサイトではありません。 例えばレーザー治療した後、すべてのメラノサイトがとれてしまったらその部位は白斑(白抜け、メラニンができない状態)となってしまいます。しかし通常そうはなりません。つまり質の変わったメラノサイトは そのまま残るケースが多いはずで、これは再発のリスクが十分あるということの裏返しです。照射によるしみ治療は,基本再発ありきの治療です。しみの色はなくなっても作る工場(メラノサイト)の質までは変わらなければ、また濃いメラニン色素は過剰にでてくることは当然のことです。さらに言うと、メラノサイトだけではなく、周囲の組織、特に真皮層の線維芽細胞や血管内皮細胞などの変化もしみに関わることがわかっています。肌にはこのような変化があるからこそ“しみをとる”治療だけではなく“しみを予防する、コントロールする肌作り(リメイクスキン)”もより大切となります。
肌にはこのような変化があるからこそ“しみをとる”治療だけではなく“しみを予防する肌作り”も重要になってくるのです。
要注意!肝斑、炎症後色素沈着
しみの中でも肝斑と炎症後色素沈着は、治療を行う上で注意が必要です。特に肝斑は『女性ホルモンが関わる難治性のしみ』とされており、通常のレーザーを照射したり、誤ったケアをすると悪化の一途をたどるやっかいなしみです。 そのためにもまずは肝斑かどうかの医師の診断が必要で、生活習慣や婦人科治療の有無、肌状態をしっかり確認してから治療がスタートとなります。主に肝斑で使用できるレーザートーニングは弱いマイルドな照射ではありますが、それでも悪化する例があります。レーザートーニング照射は、色素の状態や反応のしかたをみながらということになります。肝斑は、レーザートーニングだけでなく飲み薬やメソポレーションなどの導入、ホームケアの併用が治療の経過、スピードに関わるので、合わせて行うことが必須です。
炎症後色素沈着は、過度の摩擦や医原性(レーザーやフォトフェイシャルなどのやけど)など外的要因による炎症に伴って現れる色素沈着です。炎症はそれが慢性化したり過度であると、皮膚に色素沈着を起こします。身近なものとしてやけどの跡やにきび跡、虫刺されの跡も、色素沈着を呈することがあります。頬にある場合、肝斑と類似しているため鑑別困難です。もし肝斑も否定できない場合は肝斑に準じた治療を行うことが多く、炎症を起こしたのがいつなのか?どの程度なのかにより治療方法を検討していきます。
フォトフェイシャルとしみの経過
フォトフェイシャルはしみ、そばかす治療でよく知られている治療機器です。当院では『m22』 というフォトフェイシャル最新機種を医師が照射していきます。レーザー治療のように照射後、絆創膏の必要はなくメイクも可能です。しみ、そばかす治療の場合は1か月に一度、複数回行って評価します。フォトフェイシャルはしみ、そばかす以外にも赤ら顔の改善や肌のハリ回復、メイクののりが良くなる、タイトニングなどの効果も同時に期待できるトータルケア治療機器です。
フォトフェイシャル照射直後、反応したしみはやや色濃くなります。それが数日後から数週間かけて、徐々に浮いていきて脱落していきます。はじめは見えなかったしみも浮き始めることがあり、一見濃く、くすんだ感じとなりますが、回数をかけることで徐々にお顔全体のくすみ、色むらが改善、肌に白さがでてきます。もちろん、すべてのしみに対して適応でなく、フォトフェイシャルで逆に悪化するしみや肌状態もありますので、診察時に判断いたします。
レーザーとしみの経過
大きなしみやフォトフェイシャルでは反応しないしみが適応となります。一般的な経過は、照射したその日からレーザー照射したしみの部分はどす黒く変化します。徐々に周囲の赤みが引いてきて、約1~2週間前後でかさぶた(薄皮一枚)として脱落します。それまでは絆創膏など保護が必要となります。かさぶたがとれると、ピンク調の皮膚となり、数か月以上かけて周りの皮膚の色と同化していきます。しかしレーザーでのしみとりの場合、重要なのが照射後のケアです。外用を半年以上継続することを当院では推奨しております。
しみできにくい肌作り(リメイクスキン)
上記の通り、しみは一筋縄ではいかないものです。レーザーやフォトフェイシャルでしみがとれたとしても、しみは同じ場所に再発しやすいものです。だからこそ、『しみの予防・コントロール、しみのできにくい肌作り』が必要になります。今あるしみを、照射系治療で対処するとともに、濃いメラニン色素が過剰に出ないような肌作りをしていかねばなりません。その役割にあるのが、日焼け止めやスキンケアなどの普段のケアはもちろんのこと、飲み薬やサプリメントの継続。メソポレーションなどの導入となります。ちなみに照射系治療であるフォトフェイシャルなど継続性のある治療も、長期でみれば肌作りとなるのですが、残念ながらすぐ現れるものでありません。継続してこその効果となります。
しみをとることも必要ですが、予防することはもっと大切であり、当院が掲げる『リメイクスキン』はその考えの根底にあるもの>です。もちろん肌作りや肌質改善には時間がかかりますが、ちゃんと答えてくれるのも人の肌の特徴です。
紫外線と肌
しみと言えば紫外線です。紫外線はしみの発生に大きく関わり、一番の原因です。地表に届く紫外線にはUVAとUVBがあります。特にしみ、メラニン色素産生を促すのはUVBです。UVBは夏に降り注ぐ量が多くなりますが、もちろん冬でも降り注ぐ紫外線です。一方UVAは真皮コラーゲン層まで到達し、コラーゲンの変性、減少の原因となります。産生されたメラニン色素を濃くする作用もUVAにはあります。メラニン色素はもともと肌の細胞を守る(特に活性酸素から)ために存在しています。紫外線の影響があると、メラノサイトは肌にある各細胞を防御するために、濃いメラニンを産生し、保護にあたります。しかしその影響が強かったり、反復(日焼けを続ける)されていくと メラノサイトやその周囲の組織は徐々に変化していき、常に濃いメラニンを産生しやすい状態となります。これがゆくゆくは、しみへつながることは容易に想像できます。つまり、しみのでやすさは、今までどのように紫外線を浴びてきて、それに対してどうケアしてきたかによると言っても過言ではありません。
しみと美白化粧品、飲み薬、サプリメント
自宅で可能なしみのケアとして、美白化粧品を含めたスキンケアや塗り薬、飲み薬、サプリメントがありますが、『しみには効果ない!』と思っているかたは多いです。しみや美白に関わる飲み薬やサプリメントは、見える効果がすぐ見られないので、続けることができない、そのような経験が皆さんもあるのではないでしょうか?しかし、これら自宅で可能なケアや治療を侮ってはいけません。美容皮膚科だけの治療で満足してしまうのが一番もったいないです。ホームケアなど自宅でできることをしっかり併用できることで、その施術効果を必ず後押ししてくれます。上記した『肌作り』は、自宅でできるケアがほとんどです。継続する、毎日できるからこそ現れる、しみへの効果なのです。
症例写真
しみ治療法について
-
YAGレーザー
しみとりの主軸であるレーザー。なかなかとれないしみ、大きいしみにはやはりレーザーが一番です。 -
フォトフェイシャル
お顔全体の照射により、トータルケアとしながらしみを改善していく光治療です。直後からメイク可能です。 -
レーザートーニング
肝斑治療の最先端、このレーザー照射方法ができてから肝斑の治療経過が変わりました。 -
ピーリング
ターンオーバーを促進し、表皮に溜まったメラニンを排出を促します。他治療の補助的治療と考えています。 -
飲み薬
ビタミンCをはじめ美白効果につながるお薬を処方します。継続こそ命です。 -
点滴・注射
高濃度ビタミンC、プラセンタをはじめ、しみ予防に関わる各種点滴・注射をご用意しております。 -
美白剤・化粧品
美白化粧品ルミキシルやビタミンC誘導体のITOなど、当院治療との併用で効果をだす製品をそろえております。 -
メディカルサポートエステ
一人一人のお悩みに合わせて、医師の指示のもとにおこなうエステです。
神奈川、横浜でしみをお悩みのかた、しみをとりたい、うすくしたいとうかた、是非当院にご相談ください。当院では必ず医師の診察があり、お悩みしみが何かを診断、適応する治療をご提案させていただきます。