『HIF-1(低酸素誘導因子)』は、2019年ノーベル医学・生理学賞受賞により大注目をあびた成分です。その本質は『HIF-1が幹細胞を調整する生体成分』という事です。HIF-1は、低酸素応答の仕組み研究で見つかったたんぱく質であり、低酸素環境において細胞の発生、再生に深く関わります。低酸素環境で思いつくのが、マラソン選手が行う高地トレーニング環境です。高地トレーニングをすると、身体は低酸素状態を察知し、HIF-1が増加します。そしてHIF-1は造血幹細胞を活性化(増加と分化)させ、赤血球が増え、酸素運搬能力があがるという仕組みが分かりました。ちなみに赤血球を増やすほどの影響は、標高2100m以上の環境に20日以上滞在が必要であり、HIF-1を日常生活で調節する事はほぼ不可能という事です。しかしその研究の先にあったのは、高地トレーニングをせずともHIF-1を増やせる「ヒフワンステム」という特殊な成分の発見だったのです。
国内では筑波大学、そして世界研究機関が長年にわたり900種の植物を対象に調査し、ある特定植物種だけが造血幹細胞を活性化する事が発見されました。そして、筑波大とニュートリションアクトの共同研究により、HIF-1を誘導させ、造血幹細胞を活性化、分化を促し、赤血球を増加させる成分の抽出、規格化に成功、「ヒフワンステム」という成分が開発されました。ヒフワンステムは国内初、経口により幹細胞を増やし、元気にする「幹細胞活性成分」として、世界から大きく注目されています。現在、ヒフワンステムは造血幹細胞のみならず、皮膚や骨、血管、筋肉などの効果を評価、有効性を示すデータもそろいつつあります。特に血液、血流、血管の3つをカバーでき、トータルブラッドケアを狙える成分です。もちろん幹細胞は全身どこにでもある細胞なので、今後、様々な効果がわかってくると思います。ただし、摂取し始めてすぐ効果や体感があるというものではなく、継続しつつ、あくまでも未来の身体のため、健康のため、美容のための先行投資型サプリメントです。しかし、現存するあらゆる成分と比較しても、「老化」の根源にアプローチするという意味では秀でている成分です。
私たちの身体は約60兆個の細胞で組織され、細胞が入れ替わりながら維持されています。しかし20代からその細胞総数は減り、その根本的な原因として「酸化ストレス」と「幹細胞の衰え」が考えられています。私たちの身体は日々酸化と戦い、酸化に耐えきれない細胞は遺伝子損傷、変異からアポトーシス(細胞死)となるか異常細胞(癌化)へ発展します。しかし多くの細胞は損傷を修復され、また新たに健康な細胞が作られ組織を再構成していきます。ここで新たな細胞を作るために必要なのが「自己複製と分化する能力を持つ幹細胞(stem cell)」です。私たちが長らく生きていけるのはこの幹細胞があるからです。幹細胞は、自己修復能力により幹細胞自身を増やすことができ、また各組織の細胞へ分化することで全身組織の維持を行う、なくてはならない重要な細胞です。この幹細胞さえも加齢による変化は避けきれず、数の減少と能力低下が相まって、老化の原因となります。もちろん幹細胞も酸化の影響をうけるはずなので、日々抗酸化をすることは重要と言えます。