ほくろは『色素性母斑』といわれるもので、主体は母斑細胞という細胞の塊(写真矢印)です。存在するタイプにより異なりますが、表皮・真皮境界部から深部にかけて存在します。つまり、これらの細胞をすべてとりきらなければ再発します。特に毛の生えているほくろは毛穴の周りにこの母斑細胞があるため、再発しやすい傾向にあります。
一般的にいぼといわれるものには、様々な病名があります。代表的なものは脂漏性角化症、稗瘤腫、汗管腫などです。とらなければまず、なくなりません。もちろん皮膚癌であることもありますので、しっかりとした診断、切除した際の病理検査は必須となります。
上記のとおり、特にほくろはすべての細胞を取りきらなければ再発します。深部にかけて細胞があるようなほくろや大きなほくろは再発しやすいです。ほくろ治療に対して、しみ取りのレーザーを照射している例がありますが、高確率で再発します。
皮膚癌も様々なタイプがあります。悪性黒色腫、悪性黒子、基底細胞癌、有棘細胞癌など。
当院ではこれら皮膚癌の疑いがある場合は皮膚生検、または一般病院(主にけいゆう病院)へご紹介を行っております。
ほくろやいぼの治療は大きく分けて2つです。①CO2レーザー②単純切除。どちらも局所麻酔の注射が必要となります。
- ① CO2レーザーは組織を蒸散させながら、ほくろやいぼを除去する方法です。ものによって、蒸散させる深さは異なります。ほくろやいぼを削ったあとは凹みとなりますが、これについては塗り薬や創傷被覆材などを使用しながら、約2~4週間かけて治していきます。時間はかかりますが、数年後の傷跡はほとんどわからない状態まで回復していきます。特に顔の例はきれいに治る傾向にあります。
- ② 単純切除はメスで切除し、縫合する方法です。抜糸は5日~1週間後となります。抜糸後はテープを貼っていただきます。術後の処置が比較的、楽な方法です。
それぞれメリット、デメリットがあるので、医師診察時によくご相談ください。
CO2レーザー治療後、凹みとなったものが戻るのは約1か月です。その後しばらくピンク色の皮膚となり、数か月かけて周囲の皮膚と同化していきます(傷の大きさによって異なります)。数年後にはほとんどどこにあったかわからないぐらいになります。
一般的な治療可能なほくろ、いぼの例
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CO2レーザー
お顔のほくろ、イボであれば傷跡が目立ちにくい方法です。それ以外にも汗管腫、黄色腫なども除去可能です。