レーザートーニングとは、QスイッチNd-YAGレーザーの1064nmという波長を用いて、表皮レベルのメラニン色素に対して作用させ、かさぶたを作ることなく色調改善を狙う照射方法です。レーザートーニングは『メドライトC6、スターウォーカー(Fotona)』というレーザー機器で主に行われていますが、最近ではFotonaQXという機器での報告もあります。レーザートーニングは唯一、『肝斑』に有効なレーザー照射方法です。今までのしみとりレーザーでは肝斑のような特殊なしみに照射することができなかったのですが、それを可能にしたのが、照射面にむらなく一様にエネルギーが照射される(トップハット型)レーザー機器・メドライトC6の出現でした。レーザートーニングはエネルギー量を低く設定し、2~4週間間隔で繰り返し照射を行う方法であり、弱いエネルギーを照射することで、メラノサイトに過度の刺激を加えることなくメラニンを徐々に浮き上がらせる方法となります。
このようにレーザートーニングは優秀な治療方法ですが、レーザートーニング単体での治療はおすすめしておりません。あくまでもレーザートーニングはメラニン色素排出を促す治療ですので、特に肝斑をはじめとする色素への治療の場合はビタミンCとトラネキサム酸の飲み薬や塗り薬、イオン導入、メソポレーションの併用は必須となります。
※2015年・第25回日本美容皮膚科学会で『顔面の色素性病変に対するレーザートーニング治療の効果検討』をポスター発表。
レーザートーニングは主に色素に対する効果を狙う治療で、特に通常のレーザーやフォトフェイシャル治療で悪化することが予測されるしみ全般に適応となります。その代表は肝斑、炎症後色素沈着です。フォトフェイシャルで薄くなったそばかすの残り、顔全体の色むら改善にもレーザートーニングを使用します。またレーザーによるエネルギーは表層の色素のみならず、ターンオーバーを促進することで肌つやの改善も狙え、真皮コラーゲン層への効果も考えられため肌のはり改善、毛穴開き改善、軽度のしわ改善効果もみられます。しかしレーザートーニングは、治療の強さとしてどうしても弱い部類の照射方法なので、その変化は非常に緩徐です。
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医師診察(初診日)
問診票記入後、洗顔をしていただきます(メイク用品を持参してください)。レーザートーニングの適応かどうかの確認のため医師の診察があります。医師からしみや肝斑の治療経過、レーザートーニングについて、また必要あれば他施術についてご説明いたします。※施術は後日となります。 -
洗顔・クレンジング
【治療初日】受付後、施術部屋へご案内。スタッフが洗顔・クレンジングを行います。また、肌の記録(写真撮影)をします。 -
レーザートーニング照射
冷却をしながらレーザーを照射していきます。照射は必ず医師が行います。 -
整肌
施術後、スキンケアをスタッフが行い、終了となります。施術後メイクは可能です。
レーザー照射後、照射部位は全体的に軽度の赤みが見られますが、すぐに軽快します。また毛穴に一致して赤いポチポチが(毛嚢炎)がでることがありますが数日で軽快します。レーザートーニングの効果は1回目と2回目の比較ではなく、1回目と5回目、10回目という比較をします。それはレーザートーニングはあえて弱いエネルギーを使用し、過度の反応をさせない照射方法なので、その分変化もわかりにくいのが事実です。毎回、差がごくわずかなので、ご自身では変化に気づかれないことは多々あります。しかし回数を重ねていくと明らかな差がでてきます。照射した後のメイクは可能です。特に指定がない限り、ご自宅での処置もありませんが、ホームケアをしっかり行う事で相乗効果を狙えます。
肝斑に対するレーザートーニングの平均治療回数は10~15回です。もちろん16回以上行うこともあります(肝斑や対象となるお悩み、ご本人の満足度によって増減します)。また治療間隔は2~4週間に一度です。色素の状態や肌状態、目的によっては4週間以上の間隔を設けることもあります。
レーザートーニングが一番の適応である『肝斑』の特徴は、両頬に地図上、左右対称性に現れる色素斑です。その他色素斑と鑑別の難しいしみの一つです。頬以外にも額やあご、鼻の下に現れることもあります。基本的には、難治性のしみの代表である肝斑ですが、照射系治療の中でメドライトC6またはスターウォーカーによるレーザートーニングが適応になる理由は、その“エネルギーの弱さ”と“均一にエネルギーが照射できる”ことにあります。肝斑はそもそも強いエネルギーによる照射治療は禁忌であり、当院ではフォトフェイシャルも照射不可としています。だからこそ、作用の弱いレーザートーニングが適応となります。肝斑に限らずですが、レーザートーニングでとれるのはメラニンだけであって、メラニンを産生するメラノサイト(メラニン色素産生細胞)まではとれるものでもなく、さらにその質をガラッと変えられる治療でもありません。つまり再燃率の非常に高いしみの一つです。 再燃率が高いがゆえに、レーザートーニングを行うなら必ずビタミンC、トラネキサム酸などの内服、外用、メソポレーションの併用が必須となります。
肝斑によく似合たしみとして『炎症後色素沈着』があります。ほぼ似たような形態であり、頬に帯状に見られると鑑別はほぼ困難です。炎症後色素沈着もその炎症の理由や出現時期にもよりますが、基本的には肝斑と同じ状態と考えられるので、治療も同じように行っていきます。また頬全体、顔全体の色むらやくすみにもその原因がメラニン由来の色むらであるなら、同様にレーザートーニングが良い方法となります。
レーザートーニングで使用する波長1064nmは弱いながら真皮コラーゲン層へ到達する波長です。つまり真皮コラーゲン層にエネルギーが伝わり、また表皮ターンオーバーも促進する ことで肌のつや、ハリの回復、毛穴開き改善ともなります。
以下の色素に対してレーザートーニングを行うことが可能です。範囲などによって価格が変わりますので、初診時にご相談ください。
※内服や塗り薬の併用が必須となります。
以下の方は、事前に医師とご相談下さい
色素増強、熱傷、毛嚢炎、赤み、乾燥肌、白斑など
※あくまでも副作用は考えられるものであり、必ずでるものではありません。ご不安なかたは診察時、医師にご相談ください。
【施術】レーザートーニング、メソポレーション、内服 【お悩み】肝斑、色むら
【施術日、回数】(左)2012.9月・施術前 (右)2013.1月・8回目施術後
- レーザートーニングはどういう痛みがありますか?
- 連続照射なので、少々ストレスのあるチクチクとした痛みです。冷却をしながらおこなうことで多少緩和されます。
- 1、2回でしみへの効果は感じられますか?
- レーザートーニングはそもそも強い治療ができない色素斑に対して行うソフトな治療です。レーザートーニング治療効果の比較は5回目以上行ってからとなります。
- 肝斑はレーザートーニングだけで十分ですか?
- レーザートーニングを行う場合は原則内服が必要となります。また当院ではメソポレーションの併用をほぼ全例に行っており、改善速度のアップにつながっております。
レーザートーニング | 1回 |
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両頬~鼻 | ¥8,800 |
全顔 | ¥11,000 |
トライアルプラン
レーザートーニング | トライアルプラン 初回のみ |
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両頬~鼻 | ¥6,600 ※ |
全顔 | ¥8,800 ※ |
※トライアルには飲み薬2週間分が含まれます。