ボトックスを額のしわに注射するメリット
ボトックスを額のしわに注射するメリット
ボトックス注射は、しわ治療において第一線をはる効果のある治療方法です。しわの中でも表情に伴うしわに対して効果を発揮します。表情に伴うしわの一つである『額のしわ」はボトックス注射の良い適応部位といえます。額は、前頭筋という眉から頭のてっぺんまである大きな筋肉が走り、しかも脂肪があまりない場所なので、その収縮の度合いにより横じわがでやすいのです。だから、その収縮を抑えることで、しわを軽減させるボトックス注射は有用となります。
額のしわの特徴
「しわ」というと、加齢性の変化のみと思いがちですが、実はそれだけではありません。特に額のしわは、眉間のしわと同様に若いかたでもくっきりと出ることがあります。それは、眉の動きとまぶたの開け閉めにポイントがあります。病的でなくとも、まぶたが下垂気味となると、上まぶたをあげるのにまぶたの筋肉以外、つまり眉を挙げて目を見開きます。当然、眉を挙げるのに額の筋肉が使われるので、額にしわがよるのです。生まれつきまぶたが下垂気味であると、若いかたでも額のしわは深く現れてきます。もちろん加齢によるまぶたの下垂も同じように額のしわにつながり、そして皮膚のたるみがあるとそれも加速させる要因となります。また表情豊かなかたは、顔のあらゆる筋肉が目一杯動くので、しわもでやすいでしょう。
そして、額のもう一つの特徴は、脂肪があまり厚い場所ではないということです。脂肪の厚みがないと、筋肉の動きが皮膚にダイレクトに伝わりやすく、溝となった深いしわになりやすいという特徴がありまる。男性は骨格もあるため、より深いしわとなります。
額のしわにおけるボトックス注射の注意点
よくボトックス注射の失敗例で取り上げられる額。やはり一番は『まぶたが重くなる、目の見開きがしにくい』という症状です。これは多少なものも含めて出て然りですが、強く出てしまうと副作用という認識になります。額の筋肉は眉を挙げる筋肉で、まぶたを挙げるために、代償性に使われるので額のしわができます。ということは、ボトックス注射の効果がでたならば、今まで眉を挙げるのに額を動かして、挙げていればいるほど、まぶたの重さを感じるはずです。しかし、そのような症状を回避するには、注射するポイントと深さ、量が重要になりますので、医師の技量と判断、つまり“経験”が問われるといっても過言ではないでしょう。
額のボトックス注射が適応にならない例
額のしわに対してボトックス注射が適応にならない例は、ずばり『重度の眼瞼下垂』です。また男性に多いのですが、すでに深いしわが常にある例も適応外となることが多いです。
額のしわにボトックス注射をするメリット
以上のようなことから『副作用が怖いし、そもそもメリットがない?』と思われてしまうかもしれませんが、適応であればもちろん十分なメリットを得ることができます。まずは表情に伴う橫じわの解消です。そして表情に伴うしわが出にくくなれば、次に得られるメリットは『しわが溝となる事の回避』です。どの部位もそうですが、これがボトックス注射の最大のメリットと思います。しわは放っておけば必ず深い溝となります。ボトックス注射はそうなる前の予防策となるのです。また極度のまぶたの下垂がなければ、ボトックス注射をすることで、徐々にまぶたでしっかり目を開けるようになり、下垂の程度が改善するためか、視界がひろがったというお声をいただくこともあります。もちろん複数回継続しての結果です。
そしてもうひとつ、細かなしわがなくなると、実は肌がきれいにみえます。表情に伴う大きな横じわだけでなく、実はもう一つ、額の筋肉の過緊張による細かなしわもでるのが額の特徴です。下写真(1)を見ると普通の表情でも細かなしわが出ていることがわかります。下写真(2)のように表情がでるともっとしわがでますが、(1)のように普段から細かく筋肉が収縮している状態が見られることもあります。このような状態の時、ボトックス注射をすると下写真(3)のように、細かなしわがなくなり、肌がきれいに明るく見えるのです。
しわが少しでもあると光の乱反射と影ができることで、肌はくすんで見え、暗く見えます。逆に額がツルっと見えるとお顔全体の明るさが増します。つまりボトックス注射は肌をきれいにみせる治療でもあるのです。照射系治療やその他注入系とも異なる肌をきれいにみせる方法がボトックス注射です。
いかがでしょうか、ボトックス注射は大きなメリットがあるのをご理解いただけましたか。もちろんボトックス注射には適応不適応あり、ボトックス注射を行う医師の技量も重要となります。必ず受診時に医師の話を聞き納得したうえで、ボトックス注射を受けるようにしましょう。