フォトフェイシャルの効果に回数がかかる理由
フォトフェイシャルの効果に回数がかかる理由
しみとり、そばかす治療で有名なフォトフェイシャルは、ネットや美容雑誌で頻繁に特集されており、馴染みのある美容施術の一つです。フォトフェイシャルで狙える効果はしみ、そばかすなどの色素斑改善や赤ら顔の改善、肌のハリ、こじわ回復、にきび跡改善など様々な効果があります。ダウンタイムも少なく、直後からメイクも可能ともあって人気の高い施術です。人によっては、何年も継続するぐらいお気に入りの施術となることもあります。しかしフォトフェイシャルは一回ではなく複数回必要であるというのが少々ネックと考えるかたもいらっしゃいます。では、なぜフォトフェイシャルは回数が必要なのでしょうか?
そもそもフォトフェイシャルとは
フォトフェイシャルはIPL(Intense pulsed light)という光治療器です。ちなみにエステなどでも同じような光機器がありますが、光治療器として、そしてフォトフェイシャルと言ってよいのはルミナス社製の医療機器のみです。当院では「m22」という機器を開院当初より使用しています。 フォトフェイシャルは様々な波長が帯になって照射されるため、複数のお悩みにアプローチ、効果を狙うことができるというメリットがあり、一つの波長でエネルギーが強いレーザーとの大きな違いです。それでもフォトフェイシャルは、しみやそばかすに特化したイメージがあるのも事実、当院に来院するかたも、しみとりやそばかす治療でフォトフェイシャルを受けたいというかたは多くいらっしゃいます。しみやそばかす治療に特化したイメージではあるものの、実際は様々な効果を体感する施術であり、どうしても反応が見やすいのが一番皮膚表層にあるしみ、そばかすということなのです。
回数を「かけなくてはならない理由」と「かけたい理由」
フォトフェイシャルは様々な波長が満遍なく照射される反面、一つ一つの効果はレーザーと比較すると弱いものになります。弱いと言ってもそれは「レーザーと比較して」という意味で、フォトフェイシャルもそれなりの反応はします。ではその“弱さ”と“回数がかかる理由”がまったくイコールかというと、そういうことではありません。そもそもフォトフェイシャルのコンセプトは『顔全体の色調と質、構築を均一にしていくことが目的』であるということを忘れてはなりません。どのような効果を狙うにしても、フォトフェイシャルは一回一回の効果を引き継ぎながら、徐々に肌を変化させていくという施術です。だからこそ、回数をかけなくてはならない理由、回数をかけたほうがよい理由があるのです。
では一回の施術で強く行えば、その効果も良く、回数なんて必要ないのでは?という疑問がでると思います。しかしその強さに耐えられるほど、黄色人種の肌は頑丈ではありません。特に黄色人種は、「色素増強やしみがなかった部位に色素沈着がでやすいというデメリットもある肌質」という理由のため、強く照射はできないのです。何事もほどほどということでしょうか。またフォトフェイシャルを上限設定で行ってもレーザーほどの強さは狙えないため、一回の治療後に残るしみやそばかすもあり、回数を要するという理由ともなります。さらに、薄い色素となるとフォトフェイシャルの反応も悪くなるのですが、ターンオーバーを促進してメラニンを排除するという考えもあるので、継続する意味は当然あります。その場合は特に、肌質改善を伴う治療やケアを平行にやっていく必要があります。
肌の色調の整えのための継続
黄色人種は特に顔全体の肌色が一様ということが、加齢とともになくなってきます。その不均一さが集合した部位がしみ、そばかすであり、今まで見ることができなかった”ムラ“も当然現れてきます。フォトフェイシャルはその改善ための施術でもあり、肌色を均一にしていく目的があるので、継続するメリットがあるのです。またしみやそばかすだけにフォーカスするのではなく、顔全体に照射する意味もそこにあり、フォトフェイシャルを照射する施術者もその意味を理解していれば、同じ設定で顔全体を照射のみ・・・ということはないはずです。
しみ、そばかす以外で、回数が必要な理由
しみ、そばかすなどのメラニン対策だけでなく、赤ら顔や肌のハリ、小じわ、毛穴開き対策にも効果を期待できるのがフォトフェイシャルです。これらの効果は経験上、一回施術を受けてどうこうではありません。赤ら顔の場合は、広範囲の毛細血管拡張に対する治療ですが、すべてが一回でなくなるという例は見たことがありません。それでも回数を重ねるうちに、赤ら顔の程度や増強抑制が効果としてみられます。また肌のハリや小じわ、毛穴開き対策こそ回数が命の話です。肌のハリも小じわも主に真皮コラーゲン層へのアプローチです。正直、ラジオ波・高周波(当院ではエンディメッドPro )などダイレクトに真皮コラーゲン層の治療となる機器と比べたらその効果は劣ります。しかしフォトフェイシャルの光エネルギーは真皮層へ届くので、コラーゲン線維、それを産生する線維芽細胞へ影響を与えることができます。その結果、肌のハリや小じわ、毛穴対策となります。真皮コラーゲン層こそ、改善には時間がかかるものなので、回数を重ねることでより効果的となるのです。
肌のハリとなるとコラーゲンに目がいきがちですが、そのハリを支えるもう一つの皮膚構造、表皮層の改善も重要であり、フォトフェイシャルの最たるターゲットと思います。ターンオーバーが促進されることで表皮層はしっかりとした細胞層となります。初めてフォトフェイシャルを受けた方でも肌がツルっとした、メイクのりがよいというお声をいただきます。これは光エネルギーを加えたためのコラーゲンの引き締めと表皮層のターンオーバーが促進されることでいびつな表面がフラットになりやすいことが理由です。肌のハリや小じわ、毛穴開きの効果を期待する場合は、メソポレーションなど他の施術併用が、より効果を期待できます。
フォトフェイシャルを継続するメリット
美容医療の施術に対して、回数が気になるのはしょうがないと思います。予算がある、いついつまでに、仕事の都合、、、など人それぞれ様々な理由があります。無理のない範囲で、可能な事ができればそれにこしたことはありませんが,やはり単発で終了は正直もったいないです。フォトフェイシャルをはじめ、美容皮膚科で行う施術のほとんどが、お悩みを解消することを目的するのはもちろん、その悩みに再度ならないように、さらにきれいで健康な肌、肌質となることが目的です。フォトフェイシャルを継続することのメリットは主に後者にあります。上記したように一回で解決しないお悩みもあり、でも継続することで、他のメリットも得られるということです。肌は他の組織と同じように刺激しなければ、日々、気づかぬうちに劣化をたどるものです。フォトフェイシャルはしみやそばかす、赤ら顔など改善となるとともに、肌への適度な刺激となる、なかなか優れた施術です。悩み改善とともに肌作り、アンチエイジングをお考えでしたら美容皮膚科、そしてフォトフェイシャルをうまく利用してみてみるべきと思います。